今日はお盆。
私の祖母は去年亡くなったので、今は家に戻ってきているかもしれない。
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おばあちゃん家の畑
私の母は、私が物心ついた時からパートで仕事していた。小学校に上がる前の私は夏の間だいたい児童館か母方のおばあちゃんの家にいた。
近所の保育園は夏休みだったのか、児童館には知った子がいなくて嫌だし、「ぬーべー」のビデオが流れていて(それも当時は怖かった)あんまり行きたくなかった。
結果おばあちゃん家率が高くなる。
おばあちゃんの家では毎日畑について行った。
トゲトゲのナスに特大キュウリに南国風の花が咲くオクラ。
そのまま食べるととっても甘いトマトに、なぜか地面じゃなく頭上のポールを這わせて上からなっているカボチャ。
育ちすぎたアスパラのわしゃわしゃ。朝露がいっぱいついた里芋の葉っぱ。
夏野菜を見るとおばあちゃん家の畑を思い出す。
優しくて手先が器用
私はいつも「おじいちゃん家」ではなく「おばあちゃん家」と言った。
とても優しいおばあちゃんだった。
いつもニコニコしていて、喘息っぽかった私が咳をすれば「もうらしいなあ(長野の方言でかわいそうだなあ)。咳が出るのは本人が一番切ねぇなあ」とアメをくれた。
料理が上手で、私はおばあちゃんが作る具を細かくした甘いカレーや丸ナスのおやきが大好きだった。
ラップを細かく切って、丁寧に小分けにして食べ物を包んでいた。
それを覚えているのは、母はたいへん大雑把でそんなことは絶対しないので新鮮だったんだろう。私はこういうところは隔世遺伝で祖母に似ていると思う。
編み物をしたり絵を描いたり、他にもこまごまとしたことをたくさんやっていた。
私の話をいつも「へえー」と目を丸くして聞いてくれた。祖父が機嫌を悪くした時も黙って「ハイ」と聞いていた。
いつも控えめで「ありがとう、ありがとう」と言っていた。
すればよかった、ばあ孝行
毎年迎え盆にはおばあちゃんの家に行っていたけど、中学高校と部活でいそがしくなってきて、なかなか行けなくなった。
いとこのお姉ちゃんの結婚式の時、私が「お姉ちゃんキレイだねえ」と言ったら、「お姉ちゃんは心がキレイだから。〇〇ちゃん(私)の結婚式もきっとキレイだよ」と言ってくれた。
5年前自分の結婚式の時、私は関東に住んでいたけど、おばあちゃんに見て欲しくて長野で式をやった。でも、おばあちゃんはその時すでに体調を崩していて来られなかった。
ここ数年施設に入ってからは喋るのがとてもゆっくりになり、たまに会いに行くと「起き上がらなくてごめんなあ」と、ゆっくりゆっくり言っていた。
そんな体が大変なときまで、気を遣わなくてもいいのに。
もっと、会いに行けば良かったと思う。もっと、おばあちゃんの話を聞いたら良かったと思う。もっと、一緒に写真を撮れば良かったと思う。
娘は生まれた直後で、施設まで遠いのとコロナもあって「もう少ししたら…もう少ししたら…」と思っていたら会わせてあげられなかった。
この前家で娘のオモチャのピアノが勝手に鳴った(と思った)時、一瞬、おばあちゃんが来ているのかと思った。
今日はお盆。今日こそは、おばあちゃん、帰ってきたかなあ。
私は元気にしているよ。娘は順調に大きくなってくれているよ。
今日はおばあちゃんの家に行く。ひ孫の顔を見せて、近況でも報告しようと思う。
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