牛乳が毒??
牛乳を飲んだ方がいいとはよく言われますよね。
「カルシウムが豊富」とか「子どもが飲むと背が伸びる」とか…。
反対に牛乳が良くないとはあまり聞かないので、タイトルを見て気になりました。
本のデータ
『カン・ジン・カナメの健康教室① 牛乳はモー毒?』
監修:真弓定夫、 発行所:美健ガイド社、 2020年5月28日
牛乳を飲むよう言われるのはなぜ?
牛乳の量は、前から気になってはいました。
娘の栄養相談で、1歳半を過ぎ「離乳の完了」と言われているわりには「牛乳や乳製品を合わせて1日400cc摂りましょう」と言われます。
牛乳400ccって、大人でも結構多い量ではないでしょうか?
離乳食中期(生後7~8ヶ月)のころは、「まだ消化が未発達で脂肪分が吸収しづらく、母乳に近い乳脂肪が一番負担が少ない」という理由だったと思います。
ただ、1歳半以降も400ccである理由は特にどこにも書いてありません。
なんとなく「カルシウムのためかな」と思っていました。
牛乳ではカルシウムが吸収できない?
ただ、この本を読むと、牛乳からはカルシウムが吸収しづらいらしいのです…!
その理由は、日本人の腸内には牛乳のカルシウムを吸収する酵素「ラクターゼ」が少ないからだそう。飲んでも吸収できないまま出て行ってしまうんです。
牛乳でおなかがゴロゴロする「乳糖不耐症」という言葉もよく聞くと思います。
ラクターゼは母乳を飲む赤ちゃんのころにはあって、1歳を過ぎ断乳のころから減っていってしまうのだそうです。
また、カルシウムを体内で活用するにはビタミンやミネラルも必要です。
牛乳だけではマグネシウムが足りず、カルシウムを摂れたとしてもうまく体内で活用できないそうです。
ただ、ネットで調べると「乳製品のカルシウムが一番吸収効率がいい」という意見もありますが…。
(牛乳中のカルシウムとリンのバランスがカルシウムの吸収に理想的だからとのこと。 参考:骨ちょっといい話2022/12/19現在)
どっちが本当でしょう…。
牛乳以外でカルシウムが多い食品は?
牛乳からカルシウムが吸収しづらいとしたら、どうやって摂ればいいのでしょうか?
本書では次のような食品が紹介されています。
- 小松菜
- 大根の葉
- 切り干し大根
- 海藻類(昆布、ワカメ、ひじきなど)
- 煮干し
他にも豆腐をはじめとした大豆製品にもカルシウムが含まれています。
日本人は昆布や煮干しでとるダシや、大豆・海藻を使った料理を毎日のように食べてカルシウムを摂っていたんですね。
でも、最近では相当意識しないと食べない食材ではないでしょうか。
実は牛乳からカルシウムが吸収できてなかったとしたら…
「カルシウムは牛乳でとれるから大丈夫!」と海藻や小魚類をほぼ食べないのは怖いですね。
他にもある牛乳のデメリット
本書には、他にも牛乳のデメリットが書かれていました。
- 乳脂肪分が血管の壁に悪玉コレステロールの固まりを作る一因に→生活習慣病につながる
- 牛乳は牛の血液から作られている。そもそも他の生物の乳を飲むのは不自然
- 牛乳の飲み過ぎが子どもの問題行動増加につながっている
- 牛乳に含まれるガラクトースという成分が白内障の一因になる
本書はマンガなので情報量は多くなく、納得できる理由やデータはあまり書いてありません。
悪玉コレステロールの元となるのは牛乳だけではないような気もします。
牛乳が問題行動につながる理由は全く言及されていません。
(探したら「牛乳に含まれるリンやタンパク質が血液を酸性に傾けバランスが崩れることで、イライラしたり落ち着きが無くなったりしやすい」という記事はありました。
参考:びんちょうたんコム(プレマ株式会社)2022/12/19現在)
牛乳だけ飲めば安心、ではないかも
一般的に栄養士さんや学校で言われることとは違うので、何を信じるか意見が分かれるところだと思います。
ただ、カルシウムが含まれる食品はいくつもあるのに、なぜ牛乳だけは毎日必ず結構な量を飲むように言われるのかは考えてみてもいいかもしれません。
(本書では、戦後アメリカが乳業会社を儲けさせるために、日本人に給食で牛乳を飲ませる政策をはじめたとあります)
豆乳はもちろん、最近は他にもオーツ、アーモンドなど様々なミルクが出てきていて選択肢はいくつもあります。
大人も子どもも乳製品は嗜好品として、それだけに偏らないようにしたほうがいいかもしれません。