おいしいものは好きですか?
ほとんどの人は1日3食。このチャンスに何を食べるか、どのくらい時間とお金をかけるか、人によって全く違うと思います。
普段の食事にこだわったり、おいしいものをさがしに旅に出るほど食べることが大好きな方には絶対共感してもらえるエッセイです。
やっぱり食べに行こう。
著者:原田 マハ、 出版社:毎日新聞出版、 2021年12月10日
なんとも美味しそうなエッセイ
美術館でお仕事をされていた経歴があり、「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」など美術作品をモチーフにした小説を多数書かれている原田マハさん。
今回初めてエッセイを読みました。
原田マハさんは小説を書くとき、画家が生きた地を実際に巡って、とことん取材をするそうです。このエッセイにはその土地土地で食べた美味しいものが出てきます。
日本国内で旅して出会った美味しさ、贅沢なレストランでの食事もとても魅力的だけど、私が同じくらい惹かれるのが朝食や軽食・おやつたち身近な食事。
熱々のコーヒーとバターたっぷりのパンとか、ミョウガの味噌汁とか、岡山直送「旬の中の旬」の白桃とか。
読んでると食べ物が目に浮かんできて、あああーー絶対美味しいやつじゃん!と身悶えます。 読んだそばから自分も同じものを食べたくなってきます。
こんな文章を書ける人に憧れます。
私は昔から小説と同じぐらい料理本を眺めるのが好き。 実際に作るわけではなくて、どんな味がするのか思い浮かべるのが楽しいんです。
このエッセイは存分に味を想像させてくれます。想像の中では食べたいものを最高の状態で食べ放題です。
何の生まれ変わり?
原田マハさんは「牡蠣」の生まれ変わりだそうです。
いったい何のことかというと、
「ひょっとして生まれ変わりなんじゃないだろうか……」と思われるほど、大大大好きな食べ物は何か
やっぱり食べに行こう。p85
と聞かれたら、それほどまでに牡蠣が好きだということ。
あなたは何の生まれ変わりですか??
私は…
卵かな?!
茹でても焼いても炒めても、とじても落としてもOKな卵。
卵が乗っているだけで一気に美味しくなる。意外と主張が強いので味のハッキリした料理に合わせるのがマスト。
卵ひとつで見た目も華やかになる。可愛い。好き。
ただし、生卵の白身だけは好きじゃありません。食感が。
私は火の通った卵の生まれ変わりです。
スポンサーリンク憧れる3拠点生活
原田マハさんは長野県の蓼科に住んでいます。
長野県民としては、信州の野菜やソバを褒められると我がことのように嬉しいです。(ウチは蓼科でも高原でもないけど)
ただ、蓼科にいるのは1年の1/3くらい。あとの1/3は東京・その他国内の都市、1/3はパリ・その他海外で過ごすんだそうです。
ステキ!!
パリに住むってちょっと憧れます。
屋根裏の小さな部屋で、自分で買ってきたパンを朝食に食べる。観光した後にホテルじゃなくて「自分の部屋」に戻る。
そのうち現地で友だちなんてできちゃったりして…!
私にとって「旅行」と「美味しいものを食べに行く」ことはわりとイコール。
旅行で食べるものは美味しいんですが、その土地の人が食べてるものの美味しさとはやっぱり違うと思います。
一度日本じゃない国に住んでみたいな。
ちょっとでいいけどね。
好きがあふれてる!
食は万人に共通だけど、このエッセイは原田マハさんの好みやこだわりがギュウギュウに詰まっているから、なんてことない食事もキラキラ美味しそうに感じられるんだろうな。
お腹が空いているときにはオススメしない一冊。