文章が上手いって一体なんでしょう?
最後までスッと読めて面白い文章は「上手いな」と感じるけれど、それは才能やセンスによるものなのでしょうか?
この本の著者、宮崎直人さんはUXライティングを仕事としています。
「UX」とは「User Experience」の略。顧客が快適に分かりやすく製品を使えるよう、手助けとなる文章を書く仕事です。
そんなときに求められるのは「読み手ファーストな文章」(読みやすく、読み手を動かす文章)。
宮崎さんはこの「読み手ファーストな文章」は誰にでも書けるようになると言います。
ブログなどで文章を書く人はもちろん、仕事の企画やメール、就活、個人的なメッセージなど、どんな場面でも役立つ本です。
『秒で伝わる文章術』
著者:宮崎 直人、 発行所:フォレスト出版、 2022年04月21日
圧倒的に読みやすい
この本を読んだ一番の感想は「読みやすい!!」です。
この本では読み手ファーストな文章を書くためのコツが分かりやすくまとめられていますが、この本自体がまさに読み手ファーストです。
私にとっては初めて知る内容も、分かりやすい言葉でシンプルに書かれているのでスッと入ってきます。目次を見ただけでどこに何が書かれているか分かるし、本のページのレイアウトも、パッと見ただけで大事な箇所が分かるようになっています。
そして、章ごとに練習問題が付いているので、誰でも読み手ファーストな文章に近づくことができます!
この本はAudibleで探しても見つかりませんでした。でも、実際に本を買って開いてみて良かったと思います。この見やすさ読みやすさは一見の価値ありです!
今から取り入れたいこと
本書を読んでみて、「読み手ファースト」で書くために今日から取り入れたいことばかりです。その中でも私が「あちゃー、今までやっちゃってたなあ」と感じたのは次の3つです。
文章は書いたら削るまでがセット
「ブログの記事は何文字書いたらいい?」ということはよく話題になりますよね。何の根拠か「2000文字はあったほうが」みたいな意見を見て、私はなんとなく長く書いた方がいいような気がしていました。
本書を読んで、それはちょっと違うことに気づきました。
1つの記事に多くの情報を入れることは大事です。でも同じ内容なら文章はできるだけ短い方が読みやすい。
本書には、文章を短くするために以下の4つが紹介されています。
- 一文を短くする
- 短い言葉に言い換える
- 体言止めを活用する
- 丁寧な言葉づかいを避ける
この法則にしたがって練習問題をやってみると、例文が見違えるように読みやすくなります。
文章は書いたら完成じゃなく、短く読みやすくしてはじめて完成。Twitterなど字数制限があると、短く書く練習にもなりますね。
せめて今知っておいてよかったけど、今までの記事どうしよう。自分ファーストで読みにくいなあ。
文章の見た目をととのえる
本書が読みやすいのには、文章はもちろん見た目もととのっているということもあります。
自分で書くと全部大事に思えて、装飾しすぎる人が多いですよね。
かくいう私も、今までブログではいろんな装飾を使っていました。
1つの記事ですべて使うわけじゃないし、自分なりに法則はあったのですが、目がチカチカする感も否めませんでした。
本書は1色しか使っていないけれど、強調したいところはよく伝わりました。やり過ぎ注意。シンプルイズベスト。
大事なことから書く
文章はすべて読まれない前提で書くべきだそうです。
それぞれのメディアで字数の制限もあるので、最初に大事なことが伝わらなければ、まず開いてもらえません。
毎回自己紹介などのテンプレでブログ記事が始まる方もいますが、見出しやリード文はよくよく考えて書こうと思いました。題名は奇をてらいたくなるけど、やっぱり分かりやすさは大事ですね。
そして、書くのは「自分が思う」大事なことではなく、「読者にとって」大事なことです。
こちらの本にもベネフィット(読み手の生活がどのように良くなるのか)という考え方が出ていました。【文章で商品を売りたい人に】本当は教えたくない本ーコピーライティング技術大全
文章に、センスがあふれる必要はない
著者は「機能的文章」と「情緒的文章」を分けています。
「機能的文章」は、シンプルで読みやすく、分かりやすい文章。才能ではなく、練習で身につけることができます。
「情緒的文章」は読み手の心に訴える、エモーショナルな文章。私は「文章が上手い」というと今までこっちを思い浮かべていました。
ただ、エモーショナルすぎて何を言っているか分からなくなってしまうと、どんなにアツくても読み手には伝わりません。
読まれる「情緒的文章」は「機能的文章」の条件を満たしていて、その上で情緒的な価値をプラスしているものなんだそうです。
「機能的文章」は練習で誰でも書けるようになる。しかも、センスも少しずつ磨いていくことができる。
こう聞くと、なんだか希望がもてませんか??^^
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