仕事に、家事に、子育てに…
いそがしい毎日の中で、「ワクワクする心」を忘れていないでしょうか?
子どものころ読んだ児童書やファンタジーには、実は大人になってから読んでも、引き込まれ夢中になれる名作が多いです。
意外と哲学的だったり、世界観が緻密で人物描写は容赦なかったりします。
今回は私が大人になって改めて面白いと思ったファンタジーを、日本編と海外編に分けて紹介します!
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Ⅰ.日本編
まずは日本の作者によるファンタジー小説です!
『熱帯』森見登美彦
誰も最後まで読み終えることのできない不思議な本「熱帯」。その謎を追う主人公たちが出会う人も、また物語を語り始め…。
「千一夜物語」のように物語が入れ子構造になり、どんどん不思議な感覚になります。
「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話体系」など大学生が主人公のお話で有名な森見登美彦さんですが、この本は毛色が全く違います。
ちょっと不気味ですらあり、大人が楽しめるファンタジーです。
『ブレイブ・ストーリー』宮部みゆき
父親の衝撃発言から生活が一変してしまった亘。自身の運命を変えようと幻界(ヴィジョン)を旅することにします。
推理小説作家として有名な宮部みゆきさんが作る世界は計算され筋が通っています。
幻界は、自分自身を反映してできる世界。
RPG風ファンタジーな世界かと思いきや、宗教・差別・憎しみ…など重いテーマが絡みます。
辛い環境から飛びだし、仲間に出会いながら旅するワタルの成長は、大人にこそ読んでほしい物語です。
詳しくはこちら!
少年の成長に大人がグッとくるファンタジー『ブレイブ・ストーリー』『光の帝国』恩田陸
人が見えないものが見えたり、膨大な情報を記憶できたり、長生きすぎたり…
不思議な力を持ちながら世間に紛れて暮らす常野(とこの)の人々の連作短編集です。
短編ごとで設定が違いますが、物語の入り方や描写が上手ですぐに引き込まれます。
全体的に穏やかな語り口なのに、背筋が寒くなったり痛ましかったり。
人生経験の多い大人ほど深く共感できるかもしれません。
「ノスタルジアの魔術師」恩田ワールド炸裂、それぞれが長編になりそうなくらいエッセンスの凝縮した1冊です。
詳しくはこちら!
ノスタルジアの魔術師が描くなつかしさと怖さー『光の帝国』勾玉三部作『空色勾玉』荻原規子
光と闇が争う世界。
光を愛する主人公狭也(さや)は、ある日自身が闇の姫であることを知らされ…。
こちらは日本の神話を基にしたファンタジーで、出てくるのは魔法や妖精ではなく不死の神や巫女です。
私は神話には詳しくありませんが、独特の世界観に引き込まれます。
全体に描写が優しくとても読みやすいです。
3作とも少女が誰かのために勇気を出して立ち上がるというテーマがあり応援しながら読みました。恋あり冒険ありで爽やかな読後感です。
『スキップ・ターン・リセット』北村薫
「時と人の三部作」と呼ばれるこの3冊は、つながってはいないのでどこから読んでもOKです。
- 17歳の真理子が目覚めると、42歳で教師である未来の自分になっている『スキップ』
- 交通事故に遭った瞬間にループに入りこみ、定刻になると1日前に戻ってしまう『ターン』
- 戦前戦後の時代を背景にした輪廻転生がテーマの『リセット』
どの作品も時間について、そして人生について考えさせられます。
共通しているのは、登場する女性が強く凜々しく美しいこと。
『スキップ』に出てくる私の好きな言葉です。
昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが、わたしには今がある。
『スキップ』北村薫著、新潮文庫、p553
丁寧な描写と瑞々しい感情表現で、どの物語も読み終えたときには世界が新しく見えます。
守り人シリーズ『精霊の守り人』 上橋菜穂子
水の精霊の「卵」を宿してしまった第二皇子チャグム。
国の威信を気にする父帝に暗殺されそうになり、卵を求める異界からの魔物にも狙われるチャグムを守る、女用心棒のバルサがひたすらかっこいいです。
守り人シリーズは私たちの世界と重なるように異界があり、不思議な感覚になります。
国を左右するスケールの大きい物語だし、バルサの悲しい過去やチャグムの想いなど、大人にも響くところが多いです。
Ⅱ.海外編
続いて、海外の作者によるおすすめファンタジー小説です。
『蛇の言葉を話した男』アンドルス・キヴィラフク
これがどんな本かって? トールキン、ベケット、M.トウェイン、宮崎駿が世界の終わりに一緒に酒を呑みながら最後の焚き火を囲んで語ってる、そんな話さ。
河出書房新社より
エストニアの作家アンドルス・キヴィラフクの史上歴代トップ10に入るベストセラー。
ドイツ人によりキリスト教化していき、森で暮らす人々の風習や言葉(「蛇の言葉」に象徴される)が失われていく様子が描かれています。
厚い割に読みやすいですが、内容はどんどん人が死んでいくので世界の終わりを感じます。
エストニアの歴史や政治を寓話的に風刺しているとのことで、新しい技術を得ることで失われていくものについて考えさせられます。
『マチルダは小さな大天才』 ロアルド・ダール
小さいときから賢いマチルダ。マチルダをかまってくれない両親やトンデモナイ教師の中でも、たくましく成長していき、ついには自分の居場所を勝ち取ります。
ロアルド・ダールの文章は皮肉がきいていて、マチルダが大人をやっつけるところは痛快なので、大人にもオススメです。
この作品は校長先生のトンデモなさっぷりもファンタジーかな(笑)
マチルダほどではないにしても、子どもはたくましく自ら育つ力があると信じていいと感じます。
詳しくはこちら!
「マチルダはちいさな大天才」を読んでー子どもが育っていく力ーナルニア国物語『ライオンと魔女』 C.S.ルイス
小人やしゃべる動物がいて、私たちの世界とは時の流れが違う「ナルニア」の壮大な年代記。
第1巻『ライオンと魔女』では4人の兄弟がナルニアで白い魔女と戦います。
ナルニア国物語はファンタジーの草分け的存在です。主人公が成長していく姿を描きながら、やさしい言葉でキリスト教の教えも入っています。
ナルニアはどこか全く違う世界ではなく、クローゼットの中とか、絵画の裏側とか、私たちの世界のすぐ隣にあります。
大人も忘れかけていたワクワクや子どもの想像力を思い出せる物語です。
岩波書店(瀬田貞二訳)版は訳語自体が古めかしくてちょっととっつきにくいかもしれません…。新訳版もあります。
詳しくはこちら!
私たちのすぐそばに、入り口はあるかもー『ナルニア国ものがたり』『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング
ハリーが友人と知恵や能力を出し合って、両親の死や自身の額の傷の原因となった「名前を言ってはいけないあの人」に立ち向かっていきます。
第1巻『賢者の石』では、自分が魔法使いだとは思いもしなかったハリーが魔法界や友人に出会い、隠された賢者の石をめぐり勇敢に戦います。
映画は知ってるけど原作は見てない…という方も多いのでは??
同時通訳者だった松岡佑子さんの訳は、実際に話し声や音が聞こえそうなほど生き生きとしているので、本で読むのも楽しいです。
ムカつくキャラが多いのですが、ラストの爽快感は一読の価値あり。ストレス社会で生きる大人もスッキリできます。
詳しくはこちら!
年間100冊読む私が「ハリー・ポッター」の魅力を徹底解説!!『魔法使いは誰だ』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
魔法が禁じられた世界の学校で「このクラスには魔法使いがいる」とのメモが発見され、魔法としか思えない出来事が次々に起こります。
個性豊かなクラスメイトたちは誰も彼もアヤシイ!
この中に本当に魔法使いはいるのか??
12あるパラレルワールドで魔法の使われ方を監督する「クレストマンシー」が登場するシリーズの1冊です。
それぞれ弱みがあって愛すべきキャラクターたち。魔法を使えても何でもできるわけではありません。
それぞれが起こすトラブルや失敗が絡まり合って、伏線を回収しながらラストへなだれこむスピード感は何度読んでも引き込まれます。
詳しくはこちら!
大人にこそ読んでほしい極上ファンタジー!『魔法使いはだれだ』冬はコタツで読書に限る
大人にオススメしたいファンタジーは以下の通りでした!
\\ タップでもう一度見ることができます //
Ⅰ.日本編
Ⅱ.海外編
- 『蛇の言葉を話した男』アンドルス・キヴィラフク
- 『マチルダは小さな大天才』 ロアルド・ダール
- ナルニア国物語『ライオンと魔女』 C.S.ルイス
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング
- 『魔法使いは誰だ』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
いそがしい毎日の中、わずかな時間でもファンタジーでワクワクするとリフレッシュできますよ^^
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