ファンタジーはお好きですか??
子どものころに読んだという方も多いかもしれません。
私は『魔法使いはだれだ』の作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズが大好きです。
トールキンに師事、ガーディアン賞やフェニックス賞など国際的な文学賞をいくつも受賞してファンタジーの女王と呼ばれるダイアナさん。
「ハウルの動く城」の原作「魔法使いハウルと火の悪魔」や、「アーヤと魔女」で有名ですが、どのお話も引き込まれます。
子どもが読んだらもちろん面白いですが、大人になって『魔法使いはだれだ』を読み直し、その面白さに感動しました!
伏線と登場人物の描き方がすごい!大人にこそ読んでほしい!
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『魔法使いはだれだ』はどんな本?
『魔法使いはだれだ』はダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表連作『大魔法使いクレストマンシー』の1冊です。
最初に簡単なあらすじと、「大魔法使いクレストマンシー」シリーズについて紹介します。
『魔法使いはだれだ』のあらすじ
「このクラスには魔法使いがいる」
寄宿学校での授業中にこんなメモが見つかります。
このお話の舞台では、魔法は禁止されていて魔法使いだとバレると火あぶりになってしまいます!だからこのメモが本当なら大変なこと。
最初に疑われたのは大魔女の子孫でちょっとポッチャリ・内気なナンと、目つきが悪く学校の全てを憎んでいるチャールズ。
クラスメイトは他にも、模範生だけど嫌なヤツのサイモンやテレサ、いつも冷静なインド人ニラパム、先生の息子で成績優秀だけどいじめられっ子のブライアンなど…。
この中に本当に魔法使いはいるのか??
追い込まれたナンたちが魔法の使われ方を監督する「クレストマンシー」を呼び出し、後半はワチャワチャです。
「大魔法使いクレストマンシー」シリーズの順番は?
この作品は「大魔法使いクレストマンシー」シリーズの第1巻です。
- 魔法使いはだれだ
- クリストファーの魔法の旅
- 魔女と暮らせば
- トニーノの歌う魔法
- 魔法がいっぱい
- 魔法の館にやとわれて
- キャットと魔法の卵
これは日本で出版された順で、時系列はバラバラです。クレストマンシーの生い立ちについては2巻に詳しく、こちらもめちゃくちゃ面白いです。
時系列順に読むなら2→6→3→1→4→7となります(5は外伝で短編集)。
『魔法使いはだれだ』が面白い理由
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品、特に『魔法使いはだれだ』の魅力はいくつもありますが、私が好きな点はこんなところです。
世界の掟がある
「大魔法使いクレストマンシー」シリーズが描かれているのは12の世界があるパラレルワールド。設定からしてファンタジーです。
ただ、魔法使えるし何でもオッケー!!だと、ファンタジーはちっとも面白くありません。
ダイアナさんが描く12の世界ではそれぞれできること・できないことなどの掟がしっかりあります。
そもそも『魔法使いはだれだ』では魔法を使っているところを見つかれば火あぶりだし…。
その掟が世界を作り出し、パラレルワールドが成り立っていると感じます。
伏線がすごい!!
この本に限らずダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品は伏線がすごいです!
ダイアナさんはお話の中のどこかの部分が絵のように思い浮かび、それを核として物語を書いていくそうです。
だからなのか、伏線が早くて多いです。
様々な要素を全部回収しつつドタバタしながらラストに向かうスピード感は毎度目が離せません。この本では184pあたりから特に面白いです。
一歩間違えば誰がどこでどうなったか訳が分からなくなりそうで苦手な方もいるかもしれませんが、これを書き切っているのがダイアナさんの力だと思います。
最初の方に書いてあったことが一番最後で
こういうことだったのかー!
となったりするので、読み終えるとすぐ最初から読みたくなります。2回目以降も楽しい本です。
キャラが魅力的!!
ダイアナさんの書くキャラクターが、魅力的です。
ダイアナさんの作品にはオシャレな男性が多い気がします。「ハウルの動く城」のハウルもそう。金髪・派手な服装・キラキラの目…
ダイアナさんのタイプなんでしょうか?笑
ダイアナさんの作品に出てくる人たちは、派手な服装をしていたりすごい魔力や能力を持っていても、みんな弱みがあるんです。
たとえば私はインド人のニラパムが好きです。
ニラパムは冷静で周りが見えているようで、つい怒りに任せて行動したり、何かあると恐怖で黄色くなったりします。
『クリストファーの魔法の旅』を読んでクレストマンシーも好きになりましたが、弱みを知ると『魔法使いはだれだ』での振る舞いの理由も分かります。
ナンもチャールズもブライアンも、そして学校の先生にもそれぞれに弱みがあります。
だからこそ登場人物に親しみを覚えるし物語が面白いのです。
大人にもおすすめ
構成やキャラの作り方がしっかりしているので大人にもオススメです!!
対象年齢は小学校中学年~ですが、親子で読んでみてはどうでしょうか?