娘が可愛いものを愛でるようになった。
絵本に猫の絵があったりすると、キューンと子犬のような声を出して、顔は眉毛をハの字にしている。たぶん「かーわーいーいー♡」の顔。
お気に入りのぬいぐるみに朝一番に会ったときも、可愛さに悶絶している。
猫が好きみたいなので猫の顔が入った T シャツを買ったら、洗濯して干してある T シャツに抱きついていた。
どれも、ええ?そこまで?というレベル。
お気に入りのぬいぐるみにご飯をアーンしてあげてヨーグルトまみれにし、お茶を飲ませてあげてビショビショにし、すごい力で歯磨きをしてあげ、抱きしめてポンポンして寝かしつける。
まだ自分で食事も着替えも排泄もままならないのに、なにゆえソイツ(ぬいぐるみ)なのだ。
あらがえない遺伝子的欲求かも
そういえば児童館でも、ぬいぐるみをおんぶし人形にミルクを飲ませている子がいた。
娘より大きい子は娘を撫でてくれることがあるし、娘が赤ちゃんを見たときも撫でたがる。
小さい男の子と生活したことがないから、これが女の子だけなのかうちの子だけなのか、人類の子どもに共通なのか分からない。
でも、もしかしたら小さなものを可愛がるのは遺伝子的な欲求なのかもしれない。
食う、寝る、カワイイだ。
1歳は、きっと、進化の過程
動物園に行くとサルは群れで生活している。
群れ全体よりも、サル1匹分の食べ物を探す方が楽だろうに群れでいる。
きっと食べ物探しを分担し、子育ても分担して生活しているのだろう。
赤ちゃんはお腹の中で進化の過程を辿ってくると言うけれど、物心つく前の今はまだ、辿っている途中かもしれない。
物心ついて人間になると(?)自分の意思や考え・好みがはっきりしてくる。すると可愛がり本能はナリを潜める。
私にはこの本能はもともとなかったのか、ナリを潜めすぎて消えてしまったのか、出産するまで子ども(特に赤ちゃん)には積極的に近寄りたくなかった。
周りから「子ども好き」と見られるため…という目的があって「かーわーいーいー♡」を連発する人もいる。
でも、でも、
もともとなかったのなら教えていないのに子どもがやり始めるのはナゼ??
たぶん、物心つかないときには私たちにも「お世話したい期」があったんだと思う。
娘も成長したら可愛がり本能はナリを潜めるかもしれない。
そしたら娘も、きっと私も忘れるから、ここで言っておこう。
ぬいぐるみにアーンしなくていいから自分で食べてくれ。