SNSでも書店でもオモチャ売り場でも、「知育」「モンテッソーリ式」「遊びながら~」などと本当に多く見かけます。
中には「知育って付ければ売れると思ってるでしょ?!」というものも…。
「モンテッソーリ」という名前だけは聞いたことがあるけど一体何なのか全く分かっていなかったので、この本を読んでみました。
この本が出たのは30年以上前。
モンテッソーリ式幼児教育の第一人者である相良敦子さんの著書です。
この本は幼児教育は何から始めたらいいか知りたい人におすすめです。
でもむしろ、「未就学児に教育なんて堅苦しい、お金がかかる」と思っている方にも読んでほしいです!
「敏感期」を逃すのは終バスに乗り遅れるようなもの
私がこの本で初めて知ったのは、モンテッソーリは「敏感期」を教育に利用した人だということです。
生き物には「能力を得るために、ある刺激に特別に敏感になる期間」があります。
たとえば木の先端にある柔らかい葉しか食べられない毛虫の幼虫は、その時期光に敏感になります。
光のある方へ、つまり先端に向かうことで柔らかい葉にありつけます。
敏感期はある時期を過ぎると終わってしまいます。
子どもにも「感覚」や「運動」などの敏感期があります。
その時期を逃してしまい、後から習得しようとすると比べものにならないエネルギーを必要とするそうです。
だからモンテッソーリ式教育には、色などの感覚を刺激する教材や、運動(特に手の動き)を鍛える教材が多いんですね!
敏感期を知らずに「なんか良さそう」とその子に合わない時期に与えても意味がない!と初めて知りました。
なぜ未就学児に教育をするのか
モンテッソーリの教育は、幼児に英語や算数を教える…といったものではありません。
子どもの精神的エネルギーと肉体的エネルギーを調和させていくことが目的です。
モンテッソーリが言うには、「乱暴」「叫ぶ」「無気力」「うそ」などはどれも精神と肉体をしっかり使って発達させることが叶わなかった場合に出てくるものです。
自分の発達にあった教材を次の課程を踏んで取り組むと、子どもは変わると主張しています。
- 子どもが自由に取りかかる
- やり始めたことには続けて取り組む
- そのことに全力を傾ける
- 「できた」とホッとした表情で自分からやめる
やり遂げた子どもは自主的に動いたり考えたりし始めるといいます。
こうした活動ができる敏感期が、小学校入学前なのです。
教材を選ぶ・使う前に
モンテッソーリは子どもが集中して取り組める教材を作ったり、日常生活の中で体の使い方を教えたりしました。
教材は高価な物である必要は全くありません。
幼稚園などの本格的な教育ではなく、自宅で身近な物を使う「おうちモンテ」という言葉もあります。
逆に子どもが必要としてないのに高い教材を無理にやらせるのはモンテッソーリ式教育ではないわけです。
せっかく子どもが興味を持ってやり始めたことも、親にはイタズラに見えて慌てて止めたりしがち。
子どもが今どんな成長をしている期間か、どの教材がどんな理由でいいか分かっていれば、子どもの様子を見て何から始めたらいいか分かります。
何よりお金をかけずに身近な物で始めることができます。
「知育」は何から始めたらいいか知りたい方、お金がかかると思っている方にまず読んでもらいたい一冊です。
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